
昔、ぴっちりボディスーツに興味があると言っていた友人に私のお気に入りのラバースーツを貸したことがあった。
その友人は私とは違うカテゴリーのイラストレーターなのだが、とあるイラストでぴっちりボディスーツのイラストを描くことになり、どうしても私のお気に入りのラバースーツを貸して欲しいと催促してきたのだ。
それは私が苦労して手に入れた超貴重なラバースーツであり、正直、私は貸したくなかった。
しかし、彼は私が過去に苦労していた頃に助けてくれた大恩人ということもあり、絶対に着用しないことを条件に期間限定で貸した。
「絶対に着るんじゃないぞ。お前の奥さん(美人ではない肥満体)に着せるのも絶対に許さないからな。」と十二分に釘を指した。
それからしばらくして、返還期日がきてもラバースーツが帰ってこないことにブチ切れた私は、「早く俺のぴっちりスーツを返せよ!!」と激怒した。
すると、彼は、「すまん、本当にすまん。すぐそっちに送るから勘弁してくれ!本当にすまん!」と何度も何度も大げさに謝ってきた。
その過剰な謝罪に違和感を感じたが、その時は気にせず流した。

それから数日後、郵便で私の家にお気に入りのラバースーツが帰ってきた。
しかも着払いで。

「信じられない。人から借りたものを着払いで返すとかあいつはどんな神経してるんだ?!」と怒りながらダンボールを開けた。
すると、めちゃくちゃ臭いラバースーツがそこにあった。
匂いを具体的に再現すると、イカの塩辛と汗くさい肥満体のおばさんがサウナでだきあい、そのまま干からびたような匂いだった。
あまりのアンモニア濃度ゆえ、このまま窒素を抽出し科学肥料にできるのでは?と思えるくらいの激臭だった。
「そうか!あいつがあそこまで過剰に謝罪していたのはこれが原因だったのか!」と私は気づいた。
そして、私は長時間フリーズした。

汗と涙がダラダラと流れ、口はガクガクなっていた。
目の前の視界が白みがかりながらグニャリグニャリと歪んでいった。
その後の記憶は真っ白に消えているが、その干からびたラバースーツをゴミ箱に投げ捨てたことだけは覚えている。



